個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱを指導事例含めてご紹介【平成30年度改定版】

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※本ページ内容は、平成30年度介護報酬改定における個別機能訓練加算(Ⅰ・Ⅱ)のご紹介です。

※令和3年度改定後の個別機能訓練加算につきましては、下記ページをご覧ください。
◆ よくわかる個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ

◆ よくわかる個別機能訓練加算(Ⅱ)<LIFE活用加算>

【目次】
1.目的と趣旨
◎個別機能訓練加算Ⅰ
◎個別機能訓練加算Ⅱ
◎目的の理解不足による指導事例
2.算定要件
◎各単位数、人員配置、実施範囲、実施者、実施回数
◎各要件に対する指導事例
3.同時算定時の注意点
4.個別機能訓練加算の算定や業務改善に―

1.目的と趣旨
■ 個別機能訓練加算Ⅰ ※2020年時点

利用者の自立支援と日常生活を資するよう複数の種類の機能訓練の項目を準備し、利用者の生活意欲の増進を図るように座る、立つ、歩く等の身体機能向上を目的として実施するもの。

■ 個別機能訓練加算Ⅱ ※2020年時点

身体機能そのものの回復を主たる目的とする訓練ではなく、身体機能を活用し、利用者が居宅においてトイレに行く、お風呂に入る、掃除・洗濯をする等の生活機能向上を目的として実施するもの。

<目的の理解不足による指導事例>
■ 事例
個別機能訓練加算ⅠとⅡをそれぞれ算定しているが、個別機能訓練加算Ⅱとして必要な「日常生活における生活機能の維持・向上」に関する目的設定をしていなかった。
■ 指導内容
個別機能訓練加算ⅠとⅡそれぞれ算定する場合、それぞれの加算の目的・趣旨が異なることから、別々の目標を明確に立てて訓練を実施することが必要になる。そのため、算定要件を満たていない期間については加算の算定は認められない。該当する機関の全利用者について自主点検を行い、過誤整調を行うこと。(青森市の例)
 
2.算定要件
算定要件については、個別機能訓練加算ⅠとⅡで相違点と共通点があります。
<個別機能訓練加算Ⅰ> ※2020年時点
●単位数:46単位/日

●人員配置:サービス提供時間を通して常勤・専従の機能訓練指導員を1名以上配置。

●実施範囲:グループに分かれて実施。※人数制限なし

実施者:機能訓練指導員を中心に実施。※機能訓練指導員の管理の下に別の従事者が実施した場合でも算定可

●実施回数:規定なし

<個別機能訓練加算Ⅱ> ※2020年時点
●単位数:56単位/日

●人員配置:プログラム提供時間に機能訓練指導員を1名以上配置。※非常勤・兼務可

●実施範囲:5人程度以下の小集団

●実施者:機能訓練指導員が直接実施。

●実施回数:生活機能の維持・向上を効果的に実施するため、計画的・継続的に行う必要があることから、概ね週1回以上の実施が目安

※「常勤」とは通所介護事業所における勤務時間が当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること言い、一般的には週40時間の勤務を指し、「専従」とは他の職種との兼務をしないことを指す。

以下、2020年時点での指導事例になります。

①人員配置
■ 事例
常勤専従の機能訓練指導員が早退した日に個別機能訓練加算Ⅰを算定した。 
■ 指導内容
個別機能訓練加算Ⅰは、サービス提供時間と通じて、常勤専従の機能訓練指導員等を1名以上配置しなければならず、当該加算を算定することはできない。(姫路市の例) 
【解説】
個別機能訓練加算Ⅱはプログラム提供時間に機能訓練指導員がいれば人員配置の要件は満たしますが、個別機能訓練加算Ⅰにおいては、サービス提供時間内に常勤専従の機能訓練指導員の配置が必要なため、早退してしまった場合、その日のサービス提供時間内に配置されたとみなされないこともあるようなので、機能訓練指導員の勤務形態の違いには注意しましょう。 
②人員配置・実施者
■ 事例
機能訓練指導員不在の日に個別機能訓練加算Ⅱを算定していた。
■ 指導内容
個別機能訓練加算Ⅱは機能訓練指導員から直接訓練の提供を受けた利用者のみが対象となるため、当該加算を算定することはできない。(姫路市の例)
【解説】
個別機能訓練加算Ⅰは常勤専従の機能訓練指導員の配置が必要であるため、不在の日は人員配置の要件を満たしません。個別機能訓練加算Ⅱにおいては、非常勤の機能訓練指導員でも構いませんが、機能訓練指導員が直接実施することが要件となっているので、不在の日は直接実施できないため、算定は認められません。
 ③実施範囲
■ 事例
訓練内容が類似しない複数の利用者に対して、1人の機能訓練指導員が同時に機能訓練を行っている。
■ 指導内容
個別機能訓練加算Ⅱに係る機能訓練は、類似の目標を持ち同様の訓練内容が設定された5人程度以下の小集団(個別対応も含む)に対して機能訓練指導員が直接行ってください。(高知県の例)
【解説】
個別機能訓練加算Ⅰはグループに分かれて実施されているのであれば、人数に制限はないですが、個別機能訓練加算Ⅱにおいては、類似の目標を持ち同様の訓練内容が設定された5人程度以下の小集団で行うよう決められていますので、訓練を実施する際は注意しましょう。

※上記事例は参考事例になります。各都道府県によって、判断は異なる場合がございます。詳細は各都道府県の福祉局等にお問い合わせください。

 

個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱ<共通点> ※2020年時点
■ 機能訓練指導員の対象となる資格
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師(※平成30年度改定より追加)とされています。
■ 居宅訪問
サービス提供前に個別機能訓練計画を作成する上で、機能訓練指導員等が居宅を訪問して利用者の生活状況(起居動作、ADL、IADL等の状況)を確認する必要があります。また、3ヵ月ごとに1回以上利用者の居宅を訪問し、利用者の生活状況を確認した上で計画内容(評価を含む)や進捗状況等の説明し、必要であれば訓練内容の見直し等を行うよう定められています。
※毎回必ずしも同一人物が行う必要はありません。
詳しくは「個別機能訓練加算の居宅訪問Q&A」
■ 計画作成
個別機能訓練加算計画は、利用者ごとに心身の状態に応じた上で、目標、実施時間、実施方法等を内容として多職種共同で作成します。また、個別機能訓練加算ⅠとⅡは同じ計画書に記載しても構いません。ただし、それぞれの目的に合った目標を個々に立てる必要があります。

 

3.同時算定時の注意点

個別機能訓練加算Ⅰを算定している者であっても別途、個別機能訓練加算Ⅱに係る訓練を実施した場合、同一日で個別機能金連加算Ⅱを算定はできます。
ただし、個別機能訓練加算Ⅰに係る常勤専従の機能訓練指導員は個別機能訓練加算Ⅱに係る機能訓練指導員として従事することはできないため、別に個別機能訓練加算Ⅱに係る機能訓練指導員の配置が必要になります。

参考:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護 参考資料3」杵藤地区介護保険事務所「個別機能訓練加算の算定要件について」青森市「介護サービス事業者等に対する実地指導等における指導事例」姫路市健康福祉局監査指導課「5 実地指導時における主な指導内容」高知県地域福祉部福祉指導課「集団指導資料 通所介護」

 


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