【更新日:2024.4.23】
科学的介護情報システム(LIFE)とは、2021年報酬改定で新設された情報システム・データベースです。厚生労働省が管理・運営を行っています。
介護サービス利用者の状態や、介護施設・事業所で行っているケアの計画・内容などを一定の様式で入力すると、インターネットを通じて厚生労働省へ送信され、入力内容が分析されて、当該施設等にフィードバックされます。その情報を活用し、事業所はPDCAサイクルを回すことが可能となります。
本記事では、2024年報酬改定における科学的介護情報システム(LIFE)およびLIFE関連加算の情報をまとめています。情報が公開され次第、内容を更新していきます。
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デイサービスにおける現在のLIFE関連加算
現在、LIFEへの情報提出およびフィードバック情報の活用が算定要件となっているデイサービス関連加算は、以下の5つです。
現在の科学的介護推進体制加算
科学的介護推進体制加算とは、利用者のデータをLIFEへ提出、フィードバックを活用してPDCAサイクルを運用することで算定できる加算です。
科学的介護推進体制加算 | |
単位数 | 40単位/月※通所サービスの場合 |
算定 要件 |
(イ):利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況、その他の心身の状況等の係る基本的な情報を厚生労働省に提出していること。(最低6ヵ月ごとに提出) (ロ):サービスを適切かつ有効に提供するために、必要に応じてサービス計画を見直すなど、(イ)に規定する情報等を活用していること。(PDCAサイクルの運用) 詳細につきましては、◆【通所介護】よくわかる科学的介護推進体制加算<LIFE関連加算> をご確認下さい。 |
現在のADL維持等加算
ADL維持等加算(Ⅰ) 単位数:30単位/月
ADL維持等加算(Ⅱ) 単位数:60単位/月
詳しい情報は「◆【よくわかる2024年報酬改定】ADL維持等加算【最新情報】」の記事にてまとめています。
現在の個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数:20単位/月
詳しい情報は「◆【よくわかる2024年報酬改定】個別機能訓練加算【最新情報】」の記事にてまとめています。
現在の口腔機能向上加算(Ⅱ)
単位数:160単位/回
詳しい情報は「◆【よくわかる2024年報酬改定】口腔機能向上加算【最新情報】」の記事にてまとめています。
現在の栄養アセスメント加算
単位数:50単位/月
詳しい情報は「◆【よくわかる2024年報酬改定】デイサービスの栄養加算【最新情報】」の記事にてまとめています。
2024年報酬改定でLIFEはどうなる?
具体的な審議は年末以降となりますが、「科学的介護の推進とアウトカム評価の拡充」に向けた改定となる可能性があります。
ただし、LIFEにおいては以下のような課題もあります。
- 情報入力の負担
- フィードバックをどのようにPDCAサイクルへ活用すればよいか分からない
- 行った介護サービスとそれによるアウトカムの関連性について、エビデンスの集積が十分でない
LIFE関連加算の拡充が盛り込まれる場合、これらの課題をどのように解決していくかも論点となっていくと思われます。
詳細は以降の情報をお待ちください。
参考:医療・介護・感染症対策WG(第7回)「科学的介護の推進とアウトカム評価の拡充について」
2023.12.4更新:LIFEデータ入力提出について
より質の高い情報の収集・分析を可能とすることで科学的介護を推進する観点、および、入力負担を軽減する観点から、以下の改定案が出されました。
- 入力項目の見直し:重複項目の統一、新たな項目の追加
- データ提出頻度の見直し:各加算ごと異なっているLIFEへのデータ提出頻度について、少なくとも3か月に1回に統一する
- フィードバックの見直し:自事業所と平均要介護度が同じ事業所との比較や、同じ要介護度の方との比較、全国集計値だけでなく地域別などのより詳細な層別化、複数の項目をクロス集計すること等の見直し
参考:社会保障審議会「LIFE(改定の方向性)」
2024.3.15更新:LIFE関連加算に関する事務処理手順
LIFE関連加算の変更点ならびに様式例が提示されました。
LIFEについて、主な内容は以下の通りです。
- 様式の各項目うち、記入者名や自由記載の箇所等については提出を求めないこととする
- 生年月日等の原則更新がない利用者の基本情報についても利用者情報登録の内容からデータ連携される
- 入力負担軽減や利便性向上の観点から、LIFEシステムを更改し、令和6年7月末頃に新システムを運用開始予定
- 令和6年度改定に対応した介護記録ソフトを導入するために時間を要する等の事情のある場合は、令和6年4月~8月サービス提供分の情報の提出については、2024(令和6)年10月10日までに提出することを可能とする
●科学的介護推進体制加算の提出時期
ア 算定を開始しようとする月においてサービスを利用している利用者については、当該算定を開始しようとする月
イ 算定を開始しようとする月の翌月以降にサービスの利用を開始した利用者については、サービスの利用を開始した月(利用開始月)
ウ ア又はイの月のほか、少なくとも3か月ごと
エ サービスの利用を終了する日の属する月
●ADL維持等加算の提出時期の提出時期(変更なし)
・評価対象利用開始月
・評価対象利用開始月の翌月から起算して6か月目
●個別機能訓練加算(Ⅱ)および口腔機能向上加算(Ⅱ)の提出時期(どちらも変更なし)
ア 新規に個別機能訓練計画の作成を行った月
イ 個別機能訓練計画の変更を行った月
ウ ア又はイのほか、少なくとも3月に1回
●栄養アセスメント加算の提出時期(変更なし)
ア 栄養アセスメントを行った月
イ アの月のほか、少なくとも3月に1回
詳細は「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」をご確認ください。
2024.3.18更新:Q&A公開
介護報酬改定に伴うQ&Aが公開されました。
以下は主な内容の抜粋のため、その他詳細は「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」をご確認ください。
【科学的介護推進体制加算】 問171 やむを得ない場合については、利用開始月の翌々月の10日までに提出することとしても差し支えないとあるが、利用開始月の翌月の10日までにデータ提出した場合は利用開始月より算定可能か。 |
(答)加算の算定については LIFE へのデータ提出が要件となっているため、利用開始月の翌月の10日までにデータを提出していない場合は、当該利用者に限り当該月の加算の算定はできない。当該月の翌々月の10日までにデータ提出を行った場合は、当該月の翌月より算定が可能。 |
【科学的介護推進体制加算】 問175 科学的介護推進体制加算のデータ提出頻度について、令和6年4月以降のいつから少なくとも3か月に1回提出すればよいか。 |
(答) ・ 科学的介護推進体制加算を算定する際に提出が必須とされている情報について、令和6年4月以降は、少なくとも3か月に1回提出することが必要である。 ・ 例えば、令和6年2月に提出した場合は、6か月後の令和6年8月までに少なくとも1回データ提出し、それ以降は3か月後の令和6年11月までに少なくとも1回のデータ提出が必要である。 |
2024.3.18更新:新LIFEシステムについて
現在稼働しているLIFEシステム(現行LIFEシステム)を更改し、2024(令和6)年4月22日に、令和6年度版LIFEシステム(新LIFEシステム)の稼働が開始される予定です。
- 【現行LIFE】2024年4月10日まで通常稼働
- 【現行LIFE】2024年4月11日~7月31日:これまでに入力されたデータの参照のみ可能(情報提出は不可)
- 【新LIFE】2024年4月22日:一部稼働開始(7月31日までは利用者情報及びADL維持等情報に限り登録可能)
- 【新LIFE】2024年8月1日:本格稼働開始(令和6年度改定対応の様式情報の登録可能)
- 【新LIFE】2024年4~7月分LIFE関連加算の情報提出は、2024年10月10日までの遡り入力期間に情報提出することで算定可能となる
- 現行LIFEシステムを利用していた事業所は、新LIFEシステムへの利用登録後、新LIFEシステム利用に当たって必要な移行作業あり(マニュアル公開予定)
新LIFEシステムは、現行LIFEシステムの機能が踏襲されています。利便性向上等を目的として、画面表示を分かりやすくするとともに、一部機能が改善されており、マニュアルは2024年3月26日頃公開予定となっています。
現時点でわかっている大きな変更点は、電子請求受付システム(介護)のID・パスワードで利用可能となることであり、利用登録をしてからFAXやはがきでのID通知を待つ必要がなくなります。
●移行スケジュール
引用:厚労省「令和6年度介護報酬改定を踏まえた科学的介護情報システム(LIFE)の対応について」
●留意点
①【新LIFE】利用には電子請求受付システム(介護)の ID・パスワードが必要
パスワードがわからない場合は、請求先の国保連合会に連絡することで再発行が可能です。ただし、郵送での対応となるため、パスワード再発行は早め(3月中)におこなうことを推奨しています。
新LIFEシステムの利用には、電子請求受付システム(介護)上でセキュリティ用メールアドレスの設定も必要となりますが、こちらは4月22日以降に設定可能となる予定です。
②【現行LIFE】フィードバック帳票は2024年4月10日までに作成
2024(令和6)年3月までに掲載されている各フィードバック帳票について、4月10日までに各介護事業所でフィードバック帳票を未作成の場合、4月11日以降、フィードバック帳票の作成及びダウンロードができなくなります。
そのため、未作成のフィードバック帳票がある場合は、4月10日までに各フィードバック帳票の作成をおこなう必要があります。(作成済みのフィードバック帳票は、4月11日以降もダウンロードが可能)
③【現行LIFE】4月にADL維持等加算を算定予定の事業者は、4月10日までに「現行LIFEシステム」でのADL利得計算を推奨
4月11日~4月21日は、ADL維持等加算算定機能の利用ができません。そのため、4月にADL維持等加算を算定予定の介護事業者においては、4月10日までに現行LIFEシステムでの利得計算を完了することを推奨しています。
4月22日以降は、新LIFEシステム上でのADL利得計算も可能となりますが、パスワードがわからない場合(留意点①)再発行に時間がかかるため、現行LIFEシステムで4月10日までに計算することが推奨されています。
その他詳細は「令和6年度介護報酬改定を踏まえた科学的介護情報システム(LIFE)の対応について」をご確認の上、ご対応ください。
2024.3.28更新:新LIFEシステムのマニュアル公開
2024年4月22日から稼働予定の新LIFEシステムのマニュアルが公開されました。現行LIFEシステムを利用している場合は、情報などの移行作業が必要となります。
なお、新LIFEシステムのURLは4月中旬ごろに公開予定となっています。
●新LIFEシステムのマニュアル
現行LIFEシステムトップページ>右上の「操作マニュアル・よくあるご質問等」>「令和6年度版 新LIFE導入ガイド・移行ガイド」
2024.4.23更新:新LIFEシステム公開
4月22日から一部稼働の新LIFEシステムが公開されています。
新LIFEシステム:https://life-web.mhlw.go.jp/home
右上の「操作マニュアル・よくあるご質問等」には、「LIFE利活用の手引き」も公開されています。
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