【通所介護・デイサービス】
本ページは2021(令和3)年度報酬改定時に作成していますが、2024(令和6)年度改定でも内容は変更ありません。
中重度者ケア体制加算とは、厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、都道府県知事に届け出た指定通所介護事業所が中重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、指定通所介護を行った場合に算定できる加算です。
本ページでは、厚生労働省より掲示されている算定要件等をご紹介します。詳細につきましては届出を行う各都道府県(市区町村)にお問い合わせ下さい。
中重度者ケア体制加算の算定要件
算定要件※以下の基準すべてに適合すること |
⑴ 指定居宅サービス等基準第93条第1項第2号又は第3号に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していること。 |
⑵ 指定通所介護事業所における前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護3以上の利用者の占める割合が100分の30以上であること。 |
⑶ 指定通所介護を行う時間帯を通して、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を1名以上配置していること。 |
● 中重度の要介護者であっても社会性の維持を図り、在宅生活の継続を資するケアを計画的に実施するプログラムを作成すること。 |
※認知症加算の算定要件も満たす場合は、中重度者ケア体制加算の算定とともに認知症加算の算定も可能。
◆関連記事:よくわかる認知症加算
単位数・対象者
- 単位数:45単位/日
- 対象者:要介護の利用者(要件を満たす場合、全員に算定することができる)
算定要件に関する注意点
中重度者ケア体制加算では、人員配置の要件があります。算出方法を確認し、誤りのないようにしましょう。
常勤換算方法による職員数の算定方法
厚生労働大臣が定める基準⑴における常勤換算方法による職員数の算定方法は、月ごとの看護職員又は介護職員の勤務延時間数÷その事業所の常勤が勤務すべき時間=2以上であれば、算定要件を満たすことになります。
ただし、常勤換算方法を計算する際の勤務延時間数については、サービス提供時間前後の延長加算を算定する際に配置する看護職員又は介護職員の勤務時間数は含めないものとし、常勤換算方法による員数については、少数点第2位以下は切り捨てます。
※提供時間帯を通じて配置する看護職員は他職務と兼務が認められないため、算定要件である加配を行う常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることができません。
そのため、通所介護の
事業所職員の合計勤務時間数-人員の指定基準を満たす確保すべき勤務延時間(必要時間数)=指定基準に加えて確保された勤務延時間数(加配時間数)
を出します。そして、
加配時間数÷常勤の勤務すべき時間数=2以上
であることで算定要件を満たします。
返還事例
実際に加配職員の配置が2以上を満たしておらず、返還になった事例もあります。
高知県<指摘事例> |
人員基準に規定する員数に加え(加配)、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していないにもかかわらず、中重度ケア体制加算を算定している。
県への加算の体制に係る届出以降、加配職員を2以上確保しているかの確認せずに算定していたが、実際に確認すると、2以上を満たしていなかった。 |
<指導内容> |
加配職員の配置が2を満たしていない月については、当該加算を算定できませんので、返還が必要です。
【ポイント】 |
加配職員の算出方法<具体例>
定員数:20名、サービス提供時間:7時間、常勤の勤務すべき時間数:週40時間。
下表は、ある通所介護事業所の1週間の職員配置の表になります。
①指定基準を満たす確保すべき勤務延時間数(必要時間数)を出す計算
確保すべき勤務時間数=((利用者数-15)÷5+1)×平均提供時間数
(※通所介護の従業員の配置の基準における介護職員の規定による計算式)
(例:月曜日の場合)
((18-15)÷5+1)×7=11.2時間
②加配に当たる勤務延時間数(加配時間数)を出す計算
(例:月曜日の場合)
職員の合計勤務時間数(23時間)-必要時間数(11.2時間)=加配時間数(11.8時間)
①②によりそれぞれの加配時間数を出します。週全体分で84時間。
全体の加配時間数(指定基準に加えて確保された勤務延時間数)84時間÷常勤の勤務すべき時間数40時間=2.1
よって、上表の場合、常勤換算方法で2以上確保したことになり、要件を満たします。
中重度者ケア体制加算に関するQ&A
以下は一部抜粋となっているため、詳細は引用元の資料をご確認ください。
中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合
問26 中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人を、指定通所介護を行う時間帯を通じて配置すれば、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人の配置でそれぞれの加算を算定できるのか。 |
(答) 中重度者ケア体制加算の算定対象となる看護職員は他の職務と兼務することはできない。このため、認知症加算を併算定する場合は、認知症介護に係る研修を修了している者を別に配置する必要がある。 |
問28 中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、指定居宅サービス等基準第93条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で4以上確保する必要があるか。 |
(答) 事業所として、指定居宅サービス等基準第93条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していれば、認知症加算及び中重度者ケア体制加算における「指定基準に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する」という要件をそれぞれの加算で満たすことになる。 |
引用:厚労省「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」
人員配置について
問37 加算算定の要件である通所介護を行う時間帯を通じて、専従で配置する看護職員の提供時間帯中の勤務時間は、加配職員として常勤換算員数を算出する際の勤務時間数には含めることができないということでよいか。 |
(答) 提供時間帯を通じて配置する看護職員は、他の職務との兼務は認められず、加算の要件である加配を行う常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることはできない。 |
問39 通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を1名以上配置とあるが、指定基準の他に配置する必要があるのか。 |
(答) 当該事業所に配置している看護職員が現在、専従の看護職員として提供時間帯を通じて既に配置している場合には、新たに配置する必要はない。 |
引用:厚労省「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」
プログラム作成について
問38 重度の要介護者であっても社会性の維持を図り在宅生活の継続に資するケアを計画的に実施するプログラムとはどのようなものか。 |
(答) 今までその人が築いてきた社会関係や人間関係を維持し続けられるように、家庭内の役割づくりのための支援や、地域の中で生きがいや役割をもって生活できるような支援をすることなどの目標を通所介護計画又は別途作成する計画に設定し、通所介護の提供を行う必要がある。 |
引用:厚労省「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」
機能訓練指導員との兼務について
問59 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又はロにおいては、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を配置する必要があるが、中重度者ケア体制加算を算定する場合に配置が必要となる看護職員がこれを兼ねることは可能か。 |
(答) 中重度者ケア体制加算を算定するにあたっての人員配置に係る要件は、 a 通所介護等事業所に配置が必要とされる看護職員又は看護職員の数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していること。 b 指定通所介護等を行う時間帯を通じて、専ら当該通所介護等の提供に当たる看護職員を1名以上配置していること。 としており、これに照らせば、aにより配置された看護職員にあっては、中重度者ケア体制加算の算定に係る看護職員としての業務に従事していない時間帯において、個別機能訓練加算(Ⅰ)イの算定要件や個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件の一つである「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等」として勤務することは差し支えない。 bにより配置された看護職員は、「指定通所介護等を行う時間帯を通じて、専ら通所介護等の提供に当たる看護職員」である必要があることから、同一営業日において「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等」として勤務することはできない。 |
引用:厚労省「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月26日)」
参考:厚生労働省「第141回社会保障審議会介護給付費分科会(参考資料3)」「厚生労働大臣が定める基準(厚生労働省告示第95号)」「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A」新潟市福祉部福祉監査課/介護報酬に係る留意点について高知県/集団指導資料 通所介護 東京都障害者自立支援法に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準に関する条例
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