2024年(令和6年)介護報酬改定において、以下のような内容があります。
●リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組を推進する観点から、リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の見直しを行う。
引用:社会保障審議会「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
現在この一体的計画書を利用している場合は、2024年4月以降は順次新しい様式に変更する必要があります。
しかし、そもそもこの「一体的計画書」についてよくわからない、といった方も多いかと思います。
本記事では、「リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書」について解説します。
なお本ページでは、デイサービスに関係する内容のみを記載しています。
施設系サービスや通所リハビリテーション(デイケア)などでは計画書の対象となる加算や様式が異なるため、ご注意ください。
リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書とは
個別機能・口腔管理・栄養管理に係わる内容を一体的に(1枚で)記載できる計画書様式のことです。
2021年(令和3年)介護報酬改定において提示されました。
一体的な計画書が設けられた理由
機能訓練・口腔管理・栄養管理の取り組みが一体的に運用されることで、効果的な自立支援・重度化予防につながることが期待されています。
そのため、一体的な運用(関連職種の相互連携)がしやすいよう、様式が設けられました。
■期待される効果例
- (個別⇔栄養)機能訓練の負荷や活動量に応じて、必要なエネルギー量・栄養素を調整する
⇒筋力・持久力の向上、ADLの維持・改善 - (口腔⇔栄養)多職種の連携による摂食・嚥下機能の評価により、食事形態・摂取方法の適切な管理、経口摂取の維持等が可能となる
⇒誤嚥性肺炎の予防、摂食・嚥下障害の改善
その他詳細は「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」をご確認ください。
どの計画書の代わりになる?
デイサービス(通所介護)の場合は、以下の3つの計画書の代わりとして使用することができます。
- 個別機能訓練計画書・・・個別機能訓練加算の算定時に作成
- 栄養ケア計画書(通所・居宅)・・・栄養改善加算の算定時に作成
- 口腔機能向上サービスに関する計画書・・・口腔機能向上加算の算定時に作成
「個別機能訓練計画書」および「口腔機能向上サービスに関する計画書」は、別途アセスメントシート(実施記録)の様式も一体実施版として提示されています。
様式一覧
一体的計画書等の厚労省提示様式は、以下からダウンロードが可能です。
2024年介護報酬改定にて見直しされる予定ですが、2024年2月時点では新様式は発表されていません。
以下は2021年介護報酬改定時のものとなります。
◆一体的計画書
別紙様式1-2(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(通所系))
こちらからダウンロード
◆個別機能訓練アセスメントシート(一体実施版)
◆口腔機能向上加算の実施記録(一体実施版)
別紙様式1-4(個別機能訓練アセスメントシート)
別紙様式1-6(口腔機能向上加算の実施記録)
※同一ファイル内でシートが分かれています。
こちらからダウンロード
2024.3.28追記:新様式一覧
一体的計画書等の新様式は、以下からダウンロードが可能です。
(別紙様式1-1)リハビリテーション・栄養・口腔に係る実施計画書(通所系)
こちらからダウンロード
(別紙様式1-3)個別機能訓練・栄養・口腔に係る実施計画書(通所系)
こちらからダウンロード
掲載ページ:令和6年度介護報酬改定について:リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組に関する通知
一体的計画書を使用するには
個別・口腔・栄養の一体的な運用を目的として設けられたため、「個別機能訓練加算」「口腔機能向上加算」「栄養改善加算」の3つを算定している利用者について、使用することが可能です。
3つの加算を取っているからといって、必ず一体的計画書を使用しなければいけないわけではありません。
従来通り、それぞれ別個の計画書を作成し、サービス提供・加算算定することも可能です。
一体的計画書のメリット・デメリット
メリット:
- 計画書1枚で利用者の「個別機能・口腔管理・栄養管理」がわかるため、関連職種の相互連携がしやすい
デメリット:
- 「栄養ケア計画書(栄養改善加算)」のハードルが高い
栄養改善加算の算定には、管理栄養士の配置が必要です。外部の栄養士との連携でも算定可能ですが、算定要件を満たすことのできる事業所は多くありません。
一方で、個別機能訓練加算・口腔機能向上加算は看護職員の配置で算定が可能です。 - 自治体によっては、一体的計画書では加算が算定できない可能性がある(後述)
一体的計画書を使用する際の留意点
デメリットに記載した通り、自治体によっては、一体的計画書では算定できない可能性があります。
念のため、一体的計画書の使用を開始する前に自治体へ確認しておきましょう。
まとめ
「リハビリテーション・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書」のポイントは以下の通りです。
- 個別機能訓練加算、口腔機能向上加算、栄養改善加算の計画書を1枚で作成できる計画書様式
- 栄養改善加算の算定には、管理栄養士との連携が必要(個別機能訓練加算・口腔機能向上加算は、看護職員の配置で算定可能)
- 使用する際には注意が必要
使用できる事業所はまだ多くありませんが、2024年介護報酬改定でも項目見直しが入ることから、政府は一体的な運用を推進していきたい方針とみられます。
一体的計画書の使用を検討している事業所は、加算算定においても使用可能か自治体に確認するところから始めてみましょう。
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