デイサービス・通所リハビリで算定できる「口腔機能向上加算」。
算定率は1~2割程度ですが、人員配置の難易度は低めで、比較的算定しやすい加算です。
算定には、口腔機能向上訓練の実施はもちろんのこと、計画書の作成をおこない、帳票として残しておく必要があります。
計画書は介護ソフトを使って作成するか、Excelソフトでの作成も可能です。
本記事では、Excelを使用して口腔機能向上加算の計画書を作成する際のポイントについて解説します。
Excelを使用して計画書を作成する際に必要なもの
- 厚生労働省から出ている計画書の様式
- Excelソフト
上記2点があれば、口腔機能向上加算のための計画書は作成が可能です。
様式例をもとに、各利用者様に合った内容を入力して作成します。
●令和6年度介護報酬改定対応・厚労省の計画書標準様式は、以下からダウンロード可能です。
令和6年度介護報酬改定について>(別紙6ー4)口腔機能向上サービスに関する計画書(様式例)
厚労省の様式例では、チェック項目が多く、口腔状態を正しく評価できていれば作成は難しくありません。
Excelでの計画書作成のメリット・デメリット
次に、Excelで計画書を作成することによるメリットとデメリットです。
メリット
- Excelさえあれば、コストがかからない
- 今すぐに始められる
介護ソフトを利用して作成するとなると、ソフトの料金としてコストがかかります。
また契約まで短くても1週間程度はかかるため、今すぐ作成を始めることはできません。
デメリット
- 書類保管リスク:パソコンが故障した場合、データがすべて消える可能性がある
- 期日管理の必要:計画書は3か月で更新の必要あり(算定を継続する場合)
- 同意取得:厚労省の様式には同意取得の欄がないため、別で同意取得したことを記録する必要がある
- その他:関数などを入れても、別の人がファイルを触って壊してしまう可能性がある
誰でも計画書のファイルが変更できると、場合によってはトラブルが起こる可能性もあります。
うっかり削除してしまった・ファイルを壊してしまった、といったことがないよう、ルールを決めておく必要があります。
Excelで作成する際のポイント
Excelで口腔機能向上加算の計画書を作成する際は、以下の点に注意します。
評価:算定の根拠を示せるようにする
口腔機能向上加算は、すべての利用者が一律で算定できる加算ではありません。
算定対象者は、以下に当てはまる利用者です。
- (イ)認定調査票における嚥下、食事摂取、口腔清掃の3項目のいずれかの項目において「1」以外に該当する者
- (ロ)基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)(14)(15)の3項目のうち、2項目以上が「1」に該当する者
- (ハ)その他口腔機能の低下している者 または そのおそれのある者
(イ)(ロ)の場合は問題ありませんが、(ハ)「口腔機能の低下している者 または そのおそれのある者」に該当するとして算定する場合は、注意が必要です。
利用者・家族・ケアマネジャーの説明時や、運営指導の際、「口腔機能の低下のおそれのあること」をどのように判断したか、根拠として示せるようにしておきましょう。
- 専門職(言語聴覚士・歯科衛生士)が評価する
- 専門家の監修した問診票を使用し、評価する
などの方法で口腔の評価をおこない、内容を記録として残しておきます。
データの管理に気を付ける
Excelで計画書を作成する場合は、管理を徹底しましょう。
計画書は最低でも3か月に1回作成が必要のため、利用者1人あたり年間で4枚作成となります。(算定を継続する場合)
算定利用者数が30名でも、1年で120枚の計画書を作成します。
また、計画書期間3か月の間にモニタリング(中間評価)を行い、3か月後には最終評価を行います。
計画書作成・評価の時期を忘れないよう、別途期日管理をおこないます。
また、これらの帳票は、利用者がサービス利用を終了してから、2~5年間(自治体によって異なる)の保管が必要です。
データの管理や書類の保管方法などをあらかじめ決めておきましょう。
Excel以外の計画書作成方法
Excelで作成する以外にも、「加算算定特化型ソフト」で計画書を作成する方法があります。
※請求ソフトに口腔機能向上加算の計画書フォーマットがついていることもありますが、口腔内の評価が難しいことが多いです。
加算算定用の介護ソフトであれば、過去の計画書内容をコピーできたり、利用者情報が自動転記されたりと便利な機能があるため、Excelで作成するより作成時間が短縮できます。
また、口腔内の評価を適切に行える機能があるものあります。
入力必須項目しか入力できないソフトであれば、ミスが防げます。
データの保管も介護ソフト内に保管できるため管理が楽になり、運営指導の際も安心です。
サポートが充実していることも多く、加算の算定が初めての場合などは特におすすめです。
効率的な書類作成・管理でケアの時間を増やす
加算の取得には帳票の作成が重要ですが、加算算定は書類作成が目的ではありません。
口腔機能向上加算であれば、書類の管理を効率化することによって空いた時間を、直接のケアに回すことができます。
生産性の向上により、より質の高い介護サービスに繋げていくことが重要です。
機能訓練加算サポートシステム「ACE(エース)」では、デイサービスの「個別機能訓練加算」「口腔機能向上加算」の算定が可能です。
計画書だけでなく各種帳票作成はもちろんのこと、動画による訓練提供など、加算算定が初めての事業所様にぴったりの機能が搭載されています。
まずは情報収集からでも、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
「口腔機能向上加算」は、計画書の作成だけでなく、その管理の面を考えることも大切です。
また、算定の根拠として示せるよう、口腔の評価の内容を記録として残しておく必要があります。
Excelで書類を作成する場合は、算定開始前にルールをしっかりと決めておくのがおすすめです。
特に利用者数が多い場合や、事業所に算定経験者がいない場合は、加算特化型の介護ソフトを利用して作成することも検討してみましょう。
加算の新規算定・効率化・LIFE対応は、機能訓練加算サポートシステム「ACE」にお任せください。
リハビリ専門職がいなくても、安心・簡単に加算取得をスタートできます。
◎ACEメールマガジン登録受付中
デイサービスに関するセミナー・報酬改定情報・サービスのご紹介など、役に立つ情報を配信中!
無料でご登録いただけます。
>>登録はこちらから