【通所介護・デイサービス】
要支援・事業対象者が算定できる運動器機能向上加算において、利用者の体力測定等を実施し、利用者の運動器の機能の状況を利用開始前に把握することとされています。本ページでは、事前に利用者の体力水準等を把握する際の体力測定の項目やポイントについてご紹介します。
※運動器機能向上サービスについては、市区町村によって解釈が異なる場合がありますので、実施前にご確認の上、サービス提供を開始して下さい。
◆よくわかる運動器機能向上加算
体力要素の中で全身持久力、筋力、柔軟性等は、健康と深く関連すると言われています。そこで、高齢者に対する体力測定は身体の状態や体力を把握し、個人により適した運動内容を選択し行うことで体力維持を図り、健康維持の増進や介護予防に繋がる活動に活かすことができます。
<握力>:全身の筋力の状態を把握 |
両足を開いて安定した直立の姿勢で、握力計が身体に触れないように、力いっぱい握ります。 左右交互2回ずつ、計4回測定を行います。それぞれ数値の良い方を測定結果とします。 |
■ ポイント ・反対の手で支えたり、手は振らないようにする。 ・立位が不安な方は椅子に座って、安定した姿勢で無理せず計測しましょう。 |
<長座体前屈>:下肢の柔軟性を把握 |
両足を測定器の間に入れ、背中とお尻を壁につけて長座姿勢をとります。そのまま膝をのばして前屈します。 スケールを測定器の横に置き、スタート地点を0cmに合わせて測定します。2回実施し、良い方を記録します。 |
■ ポイント ・前屈時に膝が曲がらないように気をつけましょう。 ・最後に測定器を手だけで押さないようにします。 |
<開眼片足立ち時間>:バランスが崩れた際に補正する能力を把握 |
目開けた状態で、片足立ちで立っていられる時間を測定します。両手を自然におろした状態で重心を支持脚に乗せ、反対側の足をゆっくりと上げます。片足が床から離れた時点から測定を開始し、支持脚の位置がずれる、支持脚以外の身体の一部が床に触れる、60秒経過する、のいずれかまでの時間を測ります。2回測定し、良い結果を記録とします。 |
■ ポイント ・転倒の危険があるので必ず後ろに補助者をつけましょう。 ・上げる足は左右どちらでも良いですが、反対側の軸足につけないようにする。 |
<ファンクショナルリーチ>:バランス能力を評価 |
足を開いて壁に対して横向きに立ち、腕を肩の高さまで上げます。その際、身体と腕が90度になるようにします。膝を伸ばしたまま、できるだけ遠くに手を水平に伸ばし、開始位置と終了位置の差を測定します。測定は合計3回行い、その数値の平均値を記録とします。 |
■ ポイント ・開始時に前屈の姿勢にならないようにしてください。 ・足を踏み出す、元の姿勢に戻れない等の場合は再測定を行いましょう。 |
<Time Up & Go Test>:機能的移動能力の把握 |
椅子から立ち上がり(椅子から背中が離れた時点から)3m先の目印を折り返し、再び椅子に座るまでの時間を測定します。 |
■ ポイント ・目印を回るときや椅子に座るとき等は安全に留意してください。 ・転倒防止のため、測定者や補助者も一緒に移動するようにしましょう。 |
<5m歩行>:歩行能力の把握 |
事前準備として、直線で11mをとれるスペースを準備(測定路5m+前後予備路3mずつ)します。5mのスタート地点と終点にテープを貼り、テープ区間が測定路になります。予備路から歩き始めて、スタート地点のテープを超えてから終点のテープを超えるまでの所要時間を測ります。2回測定し、良い方を記録とします。 |
■ ポイント ・通常歩行時間はいつも歩いているように行い、最大歩行時間は走らずできるだけ早く歩くよう行ってもらい、測定します。 ・転倒防止のため、測定者は歩行の邪魔にならないように間隔をとってついていくようにしましょう。 |
参考:厚生労働省「運動器の機能向上マニュアル(改訂版)」/文部科学省「新体力テスト実施要項(65~79歳対象)」/公益財団法人長寿科学振興財団/健康長寿ネット「高齢者の体力測定」
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