機能訓練における重度者・認知症への対応

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【通所介護・デイサービス】

多くの事業所が機能訓練を実施している中で、介護度の異なる利用者の状態別における訓練実施等が難しいことがあるでしょう。そこで本ページでは、重度者軽度者の状態分けや認知症の判断、機能訓練における対応の一例をご紹介します。ぜひ参考にしてみて下さい。

1.高齢者の心身状態による分類

高齢者の要介護の認定率は、年齢が上がるにつれ上昇傾向にあります。介護が必要になった主な原因としては、脳血管疾患が16.6%、心疾患が4.6%であり、合わせた循環器病は21.2%と最多の割合になっています。次に認知症が18.0%を占めており、要介護の多くが、疾患や認知症を抱えている状態です。

機能訓練における実動作訓練の実施において、障害の度合いや状態によっては実施可能な動作は利用者ごとに異なる場合はあります。そこで、利用者の状態を正確に把握するため、しっかりと問診を行うことが重要です。訓練実施にあたり、状態別に訓練のグループ分けをすることで、利用者自身が無理をせず行える訓練プログラムの提供を行うことができ、効果的な機能訓練の実施に繋がります。

 
2.【認知症の判断】長谷川式簡易知能評価スケール

高齢者の要介護の割合の2番目を占める認知症は、世界規模で増加傾向にあり、日本においても2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。また、高齢になるにつれ、認知症の割合は増加するとも予想されており、認知症は誰にでも起こりうるものとなっています。そこで、正確な判断や早期発見が、厚生労働省が掲げる「健康寿命の延伸やQOLの向上」を図る上で重要となります。

認知症の判断を行うための診断の指標として、多く使用されているのが「長谷川式簡易知能評価スケール」です。
以下、9項目の設問で構成され、正解が1点・不正解0点とし、30点満点中20点以下であれば“認知症疑い”とされます。

<改訂> 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
お歳はいくつですか?(2年までの誤差は正解)
今日は何年何月何日ですか?何曜日ですか?(年月日、曜日がそれぞれ正解で各1点)
私たちが今いるところはどこですか?(自発的に出れば2点/5秒置いて家・病院・施設ですか?の中から正しい選択で1点)
これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。 
(以下の系列のいずれか1つを採用、それぞれ正解で各1点)
①: a)桜 b)猫 c)電車  ②: a)梅 b)犬 c)自動車
100から7を順番に引いてください。a)100-7は?、b)それからまた7を引くと? と質問する。
(aが不正解の場合はbは質問しない、それぞれ正解で各1点)
これから言う数字を逆から言ってください。a)6-8-2、b) 3-5-2-9 を逆に言ってもらう。
(3桁逆唱できなければ質問を打ち切る。それぞれ正解で各1点)
先ほど覚えてもらった言葉(問4の3つの言葉)をもう一度言ってみてください。
(自発的に回答があれば各2点、もし回答がない場合以下のヒントを与え正解であれば各1点)
ヒント:a)植物 b)動物 c)乗り物
これから5つの品物を見せます。それを隠しますのでなにがあったか言ってください。
1つずつ名前を言いながら並べ覚えさせ、隠す。
※時計、くし、はさみ、タバコ、ペンなど必ず相互に無関係なものを使うこと。(1つ正解ごとに1点)
知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
(途中で詰まり、約10秒間待っても出ない場合には そこで打ち切る)
(名前の出た野菜の数:0~5個=0点, 6個=1点, 7個=2点, 8個=3点, 9個=4点, 10個=5点)

出典:加藤伸司, 下垣光, 小野寺敦志, 植田宏樹, 老川賢三, 池田一彦, 小坂敦二, 今井幸充, 長谷川和夫.改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の作成.老年精神医学雑誌.1991,vol2,no11,p 1339 -1347

 

3.機能訓練の実動作訓練の実例 ―食事動作―

疾患や認知症等、利用者の状態別による機能訓練の実例として、食事訓練の<軽度者向け>と<中・重度者向け>の訓練の違いをご紹介します。あくまで一例になりますので、それぞれの利用者の状態を見て、可能な範囲で行いましょう。

<利用者の状態別判断の問診>
まず、以下内容で[できる]・[できない]で問診を行います。ここで利用者の現在のできる範囲で、中重度と軽度に状態分けを行います。
【箸やスプーンが使える】

  • スプーンが持てる
  • 箸が持てる
  • 食べ物をつかんだりすくったりできる
【口元まで運ぶ】

  • つかんだりすくった食べ物を落とさない
  • つかんだりすくった食べ物を口元に運べる
  • つかんだりすくった食べ物を口に入れられる
<軽度者向け:上記問診で[できる]が4つ以上の場合>
「スプーンや箸を使い、お手玉などの大きい物から豆などの小さい物をつかみ・すくい上げ、口の辺りまで持っていく」のように、食事の一連の動作を想定した疑似訓練を行う。
<中・重度者向け:上記問診で[できる]が3つ以下の場合>
「スプーンもしくは箸を使い、お手玉などの大きい物から豆などの小さい物をつかみ・すくい上げ、他の場所(近くに置いた別の皿)へ移動する」のように、一部の動作を切り取って訓練を行う。
<問診以外での状態判断>
問診でのできる範囲の判断以外にも利用者ごとに抱える状態もあります。その場合も無理はせずに可能な範囲で訓練を行うことが基本です。

参考:厚生労働省「第178回社会保障審議会介護給付費分科会/資料1)認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」の手引き/中央法規・弊社機能訓練加算サポートシステムACE資料


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