デイサービス・通所介護における業務平準化とは?

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通所介護(デイサービス)では、「人手が足りない」「毎日バタバタしてしまう」といった声がよく聞かれます。こうした状況を少しでも改善するためのキーワードが「生産性向上」と「業務平準化」です。
厚生労働省の生産性向上に関する資料等でも、これらは重要なテーマとして取り上げられています。

そこで本記事では、とくに「業務平準化」に焦点をあてて、できるだけわかりやすく整理してお伝えします。

<参考>
介護分野における生産性向上の取組の進め方
介護分野における 生産性向上ポータルサイト

生産性向上と業務平準化の関係

介護分野でいう「生産性向上」とは、「同じ時間・同じ人数で、より質の高いサービスを提供できるようにすること」です。

決して「介護の手を抜く」「スピードだけを追い求める」という意味ではなく、

  • 利用者の安心・安全・満足度を高めながら
  • 職員の負担やムダな作業を減らし
  • 利用者にかかわる時間を増やす

ことを目指す考え方です。
 

この生産性向上の土台となるのが「業務平準化」です。
業務平準化ができていないと、

  • ある時間帯だけ仕事が集中
  • 特定の職員だけに負担が偏る
  • 日によって業務のやり方がバラバラでミスが起こりやすい

といった問題が起き、サービスの質も職員のモチベーションも下がってしまいます。

業務平準化とは?

「業務平準化」とは、「業務量や負担の偏りをなくし、時間・人・手順をできるだけ均一に整えること」です。

デイサービスでよくある「偏り」の例

デイサービスでは、例えば次のような「ムラ」が起こりがちです。

  • 特定の職員しかわからない業務があり、業務負担が偏る
  • 書類や記録がたまって残業につながる
  • ある時間帯だけ業務や利用者対応が重なり、手が足りない

 
こうした「人への依存」「仕事の山と谷」がある状態では、ミスや事故のリスクも高まります。
業務平準化とは、このようなムラをできるだけ小さくしていく取り組みです。

業務平準化のメリット

業務平準化が進むと、次のような効果が期待できます。

  • 職員一人ひとりの負担が偏らず、心身の負担が軽くなる
  • 業務の段取りがよくなり、利用者への声かけや関わりに時間を割ける
  • ミスやヒヤリハットが減り、安心・安全なサービスにつながる
  • 新人やパート職員でも仕事を覚えやすくなり、定着しやすい職場になる

これは、そのまま「生産性向上」につながります。
同じ人数でも、サービスの質が上がり、職員にとっても働きやすくなる。それが業務平準化の大きな価値です。

業務平準化に必要なこと

業務平準化を進めるには、いきなり大きな改革をする必要はありません。
できることから一つずつ始めていくことが重要です。

現状を見える化する(業務の棚卸し)

まずは「何が」「いつ」「誰によって」行われているかを、できるだけ具体的に「見える化」することが大切です。

  • 1日のタイムスケジュールを書き出す
  • 実際に職員がどんな動きをしているか、時間を測ってみる
  • 「忙しい」「大変だ」と感じる時間帯や業務を全員で出し合う

業務の見える化をすることで、どこに業務の偏りがあるのか、どの業務が負担になっているのかがはっきりします。

 
また、厚生労働省のHPでは、以下のようなツール(Excel)も掲載されています。
ほかにも民間企業がこういったツールを活用して進めていくのもおすすめです。

(クリックするとExcelのダウンロードが開始します)
課題把握抽出ツール
業務時間見える化ツール

詳細は以下ページをご覧ください。
介護分野における生産性向上の取組の進め方|厚労省

業務の標準化(やり方をそろえる)

次に必要なのが「業務の標準化」です。
標準化とは、「誰がやっても同じようにできる手順を決める」ということです。

各業務や書類の書き方などをマニュアルやチェックリストにして共有し、「人によってやり方がバラバラ」「特定の職員しかできない業務がある」といった状態を改善していきます。

標準化は、業務平準化の前提となる取り組みです。

役割分担とシフトを見直す

業務の流れと標準化が見えてきたら、「誰が」「どの時間帯に」「何を担当するか」を整理します。

  • 特定の人だけに集中している業務、時間帯があれば、分担を見直す
  • 必須業務と省略可能な業務を分け、継続するもの・しないものを検討する
  • 月初や月末、曜日などによる多忙時期の振り分けも考慮する

情報共有の仕組みを整える

業務平準化を進めるうえで重要なのが、「情報共有」です。

情報共有がきちんとできると、特定の人だけが利用者の情報を知っている状態が減り、誰でも一定の質で対応できるようになります。
これも「業務の偏り」を減らすための大事なポイントです。

情報共有の際の書類やソフトへの記入方法を一定にする、記録の時間を設ける、保管場所を決めるなど、職員が必要に応じて各情報にアクセスできるようにしておくことが重要です。

記録・書類作成の平準化

介護サービスの提供に書類業務は付き物ですが、帳票作成の時間を短縮できると、利用者と関わる時間が増え、結果としてケアの質を向上させることが可能です。
ICTツールの導入だけでなく、

  • 記録のフォーマットを統一し、書きやすくする
  • ICT(タブレットや記録ソフト)を導入できる場合は活用を検討する
  • 計画書の更新などは分担し、計画的に進められるよう業務負担を調整

記録の方法とタイミングを整えることで、
「夕方に記録がたまって残業」「人によって記録の内容がバラバラ」
といった問題が改善しやすくなります。

無理のない範囲から、少しずつ始める

業務平準化というと、「大掛かりな見直しが必要」「時間も手間もかかる」と感じるかもしれません。
しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。

・まずは「一番大変な業務」を1つ決めて、そこから取り組む
・定期的な短時間のミーティングで「気づき」や「改善案」を出し合う
・うまくいった工夫は、小さなことでも「見える化」して共有する

こういった小さな一歩の積み重ねが、結果として大きな生産性向上につながっていきます。

厚生労働省のeラーニングツールでは、具体的な事例も紹介されています。
気になるもの、事業所の課題と重なるものなどを視聴し、参考にすることが可能です。

<参考>
介護分野における生産性向上のためのe-ラーニング

 

業務平準化は、「人を大切にするための工夫」です。
利用者のためにも、働く職員のためにも、「仕事のムラ」を少しずつ減らしていく視点を、デイサービス運営のなかに取り入れてみてください。


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